海外に行くのがむつかしくなって早2年・・・
海外から来た人、帰ってきた人で体調を崩した人の診察をする機会が激減しました。
ただ、この先世の中が落ち着けば海外との行き来が活発になるかもしれません。
そんなわけで、輸入感染症についてのセミナーに参加しました。
https://parallel-careers.com/study-33/2046/
そこで紹介されていた、「輸入感染症を疑ったときに参考になるサイト」をご紹介します。
旅行歴を聞かなきゃ始まらない:問診は大切
海外で何らかの感染症にかかり、日本で診察を受ける場合「輸入感染症」とされます。
そうカテゴライズされる理由は、日本と海外では衛生環境や自然環境が異なり、感染症のリスクが変わるからです。
大切なのは、「問診で聞く」ということ。
輸入感染症だけを疑う場面は少ないと思うので「最近どこか出かけていませんか?」「どこか遠出していませんか?例えば・・・」という感じで聞くといいと思っています。
分かりやすい、BMJの論文
勉強会でも紹介されていた、BMJの論文をご紹介します。
BMJのClinical Updatesで2018年に”Fever in the returning traveller”というタイトルで掲載された、輸入感染症に対するレビューです。
一枚でまとめられた診療フローがあり、英語が苦手でもわかりやすいので見てみてください。
お役立ちサイト
では、勉強会で紹介されていたお役立ちサイトです。
厚生労働省検疫所 FORTH
FORTHは厚生労働省検疫所が運営しているサイトです。
一般の人向けに、旅行と病気についての情報を発信しています。
旅行先に応じての健康リスク(感染症以外)も掲載されていたり、現地で体調崩したときの情報も載っています。
なんといっても日本語で掲載されているのがありがたいです。
ただ、渡航前ワクチンなどの情報は日本で承認されているものに限定されています。
NHS Fit For Travel:マラリアマップが役立つ
イギリスのNHSが運営するFit For Travel
様々な国の感染症情報が掲載されています。
このサイトの特徴は、マラリア感染のリスクが国の中でも詳しく表示されているところです。
こちらのサイトから、国の名前を選んで、マラリアを選択→Malaria Mapを選ぶと国の地図と、地域ごとのリスクが色分けで示されます。
一つの国でも地域によってマラリア感染のリスクは違うので、参考になるな、と思いました。
CDC Travelers’ Health
アメリカCDCが運営する、CDC Travelers’ Health
各国の感染症情報が掲載されています(いまならCOVID-19も)
渡航前ワクチンの情報はアメリカ基準になっています。
ISID:Pro Med
国際学会であるThe International Society for Infectious Diseases (ISID) によるサイトProMED
メーリングリストに登録をしておけば、最新の感染症情報が届きます。
サイト上でも、新たな感染症情報が世界地図上で表示されています。
WHO:Disease Outbreak News (DONs)
WHO(世界保健機関)が運営するDisease Outbreak News (DONs)
新しい感染症の情報が出たときは、HP上で報告されています。
ミネソタ大学:CIDRAP
アメリカのミネソタ大学が運営する、CIDRAP(Center for Infectious Disease Research and Policy)のサイトでも、世界の感染症の情報を知ることができます。
参考書籍
輸入感染症について、症例ベースで学べる書籍です。
以上、ご参考になればうれしいです。それでは。