研究

医療経済や医療政策のおすすめ書籍を4冊ご紹介

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病気の治療をするときに、その効果だけではなくて「コスト」も考えることに近年より注目されています。

その時に必要なのは、どうしてこういう値付けがされているのか、という背景知識です。

今回は、その理解を深めるのに役立つ書籍をご紹介します。

河口洋行『医療の経済学[第4版]』:経済視点の勉強におすすめ

2020年12月に改訂版がでた比較的新しい書籍です。

2009年初版で改訂を重ねられているロングセラーです。

医療経済に関連する課題が網羅されています。

筆者の河口先生は経済学者なので、経済学の視点から医療経済を解説されています。

医療従事者にとっては経済学の考えは馴染みが薄いので、「経済より」の本をまず通読するのにはいい本かな、と思います。

巻末に「これから学ぶ人の読書ガイド」もあるので、この本を窓口として勉強を進めるのにいいですね。


秀生経済学を知らずに医療ができるか!?』 :入門編としておすすめ

2020年8月に出版された書籍。

薄い本ですが、今の日本が抱える医療の課題を取り上げ、医療経済の視点で取り上げています。

医療制度など医療経済について学ぶ「基礎編」と、諸問題について実際の論文も用いつつ解説する「応用編」に分けられているで、入門編としておすすめです。

筆者の康永先生の書籍の特徴として多くの話題・論文が提供されているので、「こういう論文があるのね」と様々な話題に触れることができるのも良いです。

自分の気になる話題をみつけて、紹介されている論文をきっかけに深く学ぶことができそうです。


津川友介『世界一わかりやすい「医療政策」の教科書』:アメリカ視点でおススメ

2020年3月に出版された書籍です。

タイトルに医療政策とありますが、医療経済を考えるうえではどうしてその制度ができたのか、など医療政策についての理解は必須です。

筆者の津川先生はアメリカの大学院で医療政策や医療経済を学ばれて、現在もアメリカで研究者として活躍をされています。

ブログでも医療政策や医療統計の情報を発信されています。

日本で医師をされていた経験もあるので、医療の視点も踏まえながらアメリカでは医療政策をどう学び・教えているか、を解説されています。

なので、日本に住む私たちにはなじみの薄い事例が紹介されています。

その点では「世界一わかりやすい」かどうかは読んで判断していただく必要がありますが、日本にこもっているだけでは気が付かないことを勉強することができます。

細谷圭 ほか『医療経済学15講』:薄くて取り組みやすい、勉強会にも!

2018年11月出版。

経済学の教科書シリーズ「ライブラリ経済学」の中の1冊です。

薄い本なのですが、通読すると、医療経済があつかうテーマを網羅することができるのがおすすめです。

章ごとに、チェックリスト(回答はなし)や「調べてみよう」があるので、自主勉強会や自己学習が行いやすいです、

1章ごとで持ち回りで勉強会をしたり・・・などと活用がしやすいですね。

筆者の細谷先生は経済学者なので経済学視点の本ではありますが、最初に紹介した「医療の経済学」と比べると「医療より」なので、医療従事者にとっても読みやすいと思います。


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