京都に住み始めてもうすぐ10年。
祇園祭は近くを山鉾巡行が通るので見たことがありました。
三大祭の残りの二つ、葵祭と時代祭は見たことがありませんでした。
特に時代祭は明治時代にできたお祭りということで、他の二つよりも歴史が浅くあまり関心がありませんでした。
ところが、前日帰宅をしたときに御池通に並ぶパイプ椅子をみて、翌日が時代祭であることと御池通を行列が通ることを知りました。
こんな近所を行列が通るなら見てみようかなーということで、スーパーなどの買い出しのついでに見てみることにしました。
時代祭2022
正直、「京都を活性化させるためにイベントとしてしてるお祭りなんじゃないの?」と思っていたのですが、実際にこの目で見てその合間に調べたりしていたらいろんな思いがつまったお祭りでした。
どんなお祭り?
正確な内容は、時代祭の公式ホームページに書かれていますが、ざっくりまとめると
- 毎年10月22日に開催(来年は日曜日開催)
- 京都市民500人(と馬や牛)が参加するお祭り
- 平安神宮の神様が行列のお神輿のようなものにいる(つまり神事でもある)
- 昔の人の衣装は忠実に再現されている
限られた「祇園町」の町衆による祇園祭よりも「京都市全体」で取り組んでいるお祭りなのかな、と思いました。
行列の内容って?
行列の内容や、順路はこちらも公式ホームページに詳しく書かれています。
私は「ちょっと見るつもり」だったのが、いろんな衣装や歴史をみることができて面白くなってきました。
最終的に「ここでやめたら、残りをまた見に来ないといけないから、最後まで見よう!」と約2時間立ったままみちゃいました(有料の観覧席もありますよ)
そんなついつい最後まで見ちゃった行列の中で、特に印象深かった場面をご紹介します。
維新勤王隊列の笛の音
行列は明治時代から時代をさかのぼります。
行列の先頭が近づくと笛の音が聞こえてきます。
それが維新勤王隊列
明治維新のころの様子です。
小さいころから行列に参加して笛の練習もして、この列に参加できるようです。
練習をするのも大変だったやろうなぁ、と思いました。
吉野太夫
吉野太夫は「江戸時代婦人列」の中にいます。
茶道では、吉野間道や吉野窓などでその名前が残っている吉野太夫
別にこの行列の人は本人でもなんでもありませんが「実在していた人やったんやなぁ」と思いました。
大変そうな牛車
行列には牛車もいました。
動かすのはとても大変そう。
牛だけでは動かすことがとてもできなくて、人が引っぱったり押したり・・・
源氏物語では光源氏が簡単に牛車に乗って女の人のところに出かけてたけど、ぎーぎー音がしてめっちゃうるさかったんやろうなぁ、などと思いました。
知り合いに牛車のことを伝えたら「賀茂祭の牛車の争い」のことを思い出したそう。同じ牛車&源氏物語でも、光源氏の「忍び」を思う私って・・・
気を紛らわすお馬さん
行列にはたくさんの馬が参加していました。
中には気がたっていて、上に人を乗せていない馬も。
行列が途中で止まることが結構あるのですが、その時は馬が道を行ったり来たりして気を紛らわせていました。
小さい子は馬が近づいてきて喜んでいたので、ファンサービスにもなりますね
芸舞妓さんの姿勢の美しさ
平安時代婦人列では、京都五花街の芸舞妓さんが行列に参加しています。
ぱっと目にとまったのはその姿勢の美しさです。
こちらは巴御前の行列ですが、背筋がピンと伸びていてきれいでした。
他の方々もずっと背中が伸びていて、やっぱり鍛錬している人は違うなぁ、と思いました。
佇まいからして美しかったです。
そのほか、写真は掲載しないものの、私の中で見どころだったところは・・・
- 行列に参加するお子さんたち(列が止まると椅子に座ったりして可愛かったです)
- その横を歩く着物姿のお母さんたち(お母さんも大変!)
- 実際に演奏される雅楽の音色(最後の方の列にありました)
途中で列が止まる時間があるので、縁石とかで座ってみるのが楽でいいんでしょうねー
京都御苑の有料観覧席で見ることができたら、本当に時代絵巻を見ているような気分になるのかなーと思いました。
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。
〇京都の三大祭についての書籍です