急性期医療に従事する医療従事者であれば、聞いたことがあるであろう「敗血症」
最近は、元プロ野球選手の北別府学さんが敗血症を発症した、と報道されました。(現在は回復されているそうです)
その、敗血症について一般の方・医療従事者に情報発信しているサイト「敗血症.com」に有益な情報があったのでご紹介します。
敗血症って?
敗血症とは、「感染症によって、臓器障害が起きている状態」と定義されます。
この敗血症の定義は年とともに変遷しているのですが、「感染症」+「臓器障害」が最新の定義です。
臓器障害の部位としては、肺・心臓・腎臓などがあります。
例えば、肺炎になっているだけでなく、腎機能も障害されている、という状況です。
一般の方には「感染症のめっちゃ状態の悪い、命の危機が迫った状態」とざっくり考えていただければ十分です。
日本国内では毎年10万人の方がなくなっているとされます。
敗血症で犠牲になる方を減らすために、一般の方、医療従事者に向けて情報発信をしているのが「敗血症.com」です。
敗血症.com
敗血症.comは敗血症診療に関連する「日本集中治療医学会」「日本救急医学会」が運営しています。
たくさんの情報があるので、一般の方・医療従事者にとって役立ちそうなポイントをご紹介します。
一般の方向け(医療従事者にも参考になるよ)
一般の方には、まず「敗血症対策」をおススメします。
一般的な感染症対策が説明されていて、敗血症以外の感染症予防にも有効です。
そのうえで、「敗血症Q&A」にある「どんな人が敗血症になりやすい?」を見てみてください。
慢性的な病気を持っている人は敗血症になりやすいので、「どんな人が敗血症になりやすい?」で該当する病気がある人は注意が必要です。
そのうえで「もっと知りたいな」と思った方は「敗血症ってどんな病気?」を見ていただけると、敗血症のイメージをつかんでいただけるかな、と思います。
医療従事者向け
医療従事者は「ガイドライン」の内容について把握しておく必要があります。
今の敗血症診療のガイドラインは「J-SSCG2020」です。
このかなりボリュームのあるガイドラインにすべて目を通すのは大変です。
その解説動画が「J-SSCG2020解説動画」として「敗血症.com」にアップされています。
診断や定義、治療法について解説されているので、ポイントを絞って最新のガイドラインについて勉強することができます。
講義や発表をする人には「敗血症診断の歴史」も参考になりそうです。
これまでの敗血症診断について、参考文献も含めて紹介されているがありがたいな、と思いました。
敗血症という言葉になじみのないかたもいるかもしれません。
今は必要ではないかもしれませんが、いざ敗血症について調べる必要がでたときにこの「敗血症.com」のことを思い出していただけると嬉しいです。
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。