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京都文楽公演Part2:一谷嫩軍記

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だそうです。

先日は、京都文楽公演の魅力と曽根崎心中の感想についてお伝えしました。

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今回はもう一つの演目である「一谷嫩軍記」についてお伝えします。

文楽ってなに?

現在は文楽といえば人形浄瑠璃というイメージですが、文楽とは人形浄瑠璃の一種です。

大阪の日本橋には国立文楽劇場があり、毎月文楽公演が開催されています。

もともとは「文楽座」という人形浄瑠璃をしている一座の名前だったそうです。

人形遣い、語りである義太夫節、三味線が一つの物語を作ります。

今、その文楽座に所属している人は80人ちょっとだそう。

昔からある芸能なので、私たちの日本語に使われている言葉にも文楽由来のものがあるそうです。

「○○の差し金(さしがね)だ」、ということがありますが、その「差し金」も文楽から来ている言葉だそう。

人形の腕や手を操るための細長い棒を「差し金」というそうで、そこから転じて陰で人を操って指図することを「差し金」ということになったようです。

一谷嫩軍記

2022年京都文楽公演のBプログラムは「一谷嫩軍記」です。

「いちのたにふたばぐんき」と読み、時代物の名作とされていいます。

並木宗輔という劇作家の人の作で、1751年に初演されています。

一谷という言葉があるように、源平合戦の「一ノ谷の合戦」での一場面がモチーフになっています。

今回は「一谷嫩軍記」の中で「熊谷桜の段」と「熊谷陣屋の段」が上演されました。

「一谷嫩軍記」は歌舞伎でも上演されていて、「熊谷陣屋の段」は何度か見たことがあります。

並木宗輔さんはこの「熊谷陣屋の段」を書いたところでお亡くなりになり、そのあとは弟子たちによって完成されたそうです。

ちょうど大河ドラマの「鎌倉殿の13人」を見ているところなので、これはドラマには出てくるかな?とかこの登場人物はでてくるのかな?とか別の観点で見ることができました🎵

登場人物

  • 熊谷次郎直実:今の熊谷市をおさめていた武将
  • 熊谷直実の妻相模:宮中で働いていた時に直実と出会い、妊娠。当時は大問題だったところ、その時は帝の妻だった「藤の局」に助けられて直実と結婚し、出産。その時生んだ16歳の息子が初戦となり心配で、わざわざ熊谷市から神戸の一ノ谷までやってきた。
  • 藤の局:昔は帝の妻で、子供を妊娠した状態で平家の武将に嫁ぐ。平家の戦況が悪くなり都から逃れているところで、その時生んだ息子が直実に殺されたと知る。

というところから始まります。

相模&直実の息子と、藤の局の息子が同じ年、というのがポイント。

今回は熊谷桜の段も上演されていて、キーワードである「桜の制札」についての前振りもしっかりされているのでわかりやすいです。

初めて見る人にとっては「???」というところもあると思うので、事前にあらすじを見てから行く方がよいかもしれません。

この3人は鎌倉殿の13人の主要な登場人物ではないこと、このエピソード事態は創作なので大河ドラマにには出てこないかもしれません。

ただ、熊谷直実と敦盛(藤の局の息子)が戦ったこと、そのあとに直実が出家したということは事実のようなので、この先の源平合戦のどこかで出てくるかもしれませんね。

しゃべる「太夫」豊竹藤太夫さん!

Aプログラムの解説は豊竹藤太夫さんでした。

この豊竹藤太夫、しゃべるしゃべる🎵

文楽の歴史とか、今回の演目を笑いも交えてわかりやすく解説してくださいました。

気づいたら予定時間オーバーしていたのもご愛敬(*^-^*)

Wikipediaを見たら三重県のご出身なのですね(同郷!)

文楽×経済、をテーマとしたYoutubeチャンネル「とうだゆうde笹川流」を笹川能孝さんと運営されています。

おしゃべりだけでなくて、臨場感ある語りで素晴らしかったです。

またこの豊竹藤太夫さんの解説&語りを聞いてみたいと思いました。

以上、今回の2022年の京都文楽公演のまとめは終わりです。

ご参考になればうれしいです。それでは。

〇こういう「文楽のすゝめ」というシリーズの本もあるようです。



 

 

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