医療情報

知らなかった、熱さましの効果

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

まず初めに、この記事は「熱が出たらどう対処したらよいか」とか「熱が出たらどういう病気がかんがえられるのか」という内容の記事ではありません。

熱が出た時に飲むことが多い「熱さまし」の効果について、わかりやすいまとめを見たので備忘録代わりに記載します。

発熱って何度から?

熱が出るとつらいですよね

 

発熱、とは同じ条件で測定して平常よりも1℃以上高いこと、と言われています。

「同じ条件」というのは、測定する場所によって温度が変わることが知られているからです。

表1:測定場所と正常体温:参考文献1)より改編

測定部位 体温計の種類 正常体温(℃) 平均(℃)
わきの下(腋窩) 水銀式、電子体温計 34.7~37.3 36.4
口腔(舌下) 水銀式、電子体温計 35.5~37.5 36.8
直腸 水銀式、電子体温計 36.6~37.9 37.2
赤外線式鼓膜体温計 35.7~37.5 36.6

おでこで測る体温計は?

昨年(2020年)から一気に広まった、「おでこではかる体温計」は「額式体温計」といいます。耳で測る体温計と同じく、赤外線を使って測定します。

この体温計を販売しているメーカーのHPには、汗をかいている場合や運動や入浴直後、室温16℃以下や40℃以上、など正確に測定できない状況についての記載がありました2)。額式体温計での正常体温や平均体温についての情報は見つけられませんでした。

熱を下げる意味って?

熱が高い原因にかかわらず、熱が高いと眠れなかったり、食欲が落ちたり、悪影響がでます。その悪影響を軽減するために、熱を下げることを試みます。

その方法として、クーリングや解熱薬(熱さまし)があります。

クーリング

ぶるぶる震えて寒気を訴えている状況以外であれば、クーリングを行います。

頭部、頸部、脇の下、足の付け根に氷嚢や体温に近い水をあてます。保冷剤を使う場合は、直接あてると低温やけどの原因になるので、ガーゼやタオルで覆うようにしてください。

厚着をしていたら薄着にして、室温が高い場合は25℃くらいに調整することも有効といわれています3)。

また、汗をかいて水分が失われているので、できるだけ水分(水や経口補水液)を取るようにしてください。

熱さましの効果って?

熱さましにもいろいろな薬があります。あまりにも多く、今回はその種類や使い分けについて説明をすることはできません。

ご紹介したいのは、熱を下げる程度、効果がでるまでの時間についてです。

表2 解熱薬の効果発現:文献4)より改編

アセトアミノフェン イブプロフェン
体温を下げる効果 1~2 ℃ 1~2 ℃
効果がでるまでの時間 1時間未満 1時間未満
効果が最大になる時間 3~4時間 3~4時間
持続時間 4~6時間 6~8時間

アセトアミノフェンもイブプロフェンも、広く使われている解熱薬です。一般名(薬の主成分の名前)なので耳慣れないかもしれません。

薬を飲んだらすぐに熱が下がると期待してしまいますが、効果が最大になるまで3時間はかかるのですね。

患者さんに対応していて、また自分自身が服用するときに何となく感じていたことが、わかりやすくまとまっていたのでご紹介しました。

ご参考になれば嬉しいです。それでは。

<参考文献>

1) 武田裕子:発熱をめぐるオーバービュー、診断と治療 2007;95:973

2)TANITA:非接触体温計,  https://www.tanita.co.jp/page/noncontact_thermometer/ (2021年8月2日確認)

3)早野恵子、東 理:発熱時のケアと解熱剤の選択について、治療86:63-68、2004.

4)

 

こちらの記事もおすすめ!