京都の冬の風物詩 南座の顔見世
チケットが高くて尻込みする気持ちもありますが「人がする芸術は見られるときに見ておけ」と思い出かけてきました
今回は、お昼の部の感想です
吉例顔見世興行 2024年昼の部
初日直前の片岡愛之助さんの事故で話題になった昼の部
愛之助さんの降板は残念ですが、他の役者さんの演技も楽しみにでかけました
蝶々夫人
オペラで有名な蝶々夫人をモチーフにした新作歌舞伎
ストーリーがあまり好きではないこともあり、あまり期待しないでいました。
が、見てよかったです。
主役の蝶々夫人を演じている中村壱太郎さんがよかったです。
蝶々夫人の悲しみとかそういうところをうまく演じておられました。
いつも二枚目役の多い中村錦之助さんが三枚目役なのも珍しかったです。
演出とかそういうのはもっと良くなるんじゃないかなぁと思いましたが、壱太郎さんを見ることができて良かった演目です。
三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場
こいつは春から縁起がいいぜ
で有名な三人吉座
これまでもシネマ歌舞伎などで見たことがありました
今回は江戸の中村錦之助さん、中村隼人さんに、上方の片岡孝太郎さんの座組
台詞回しはもう少し早くても良いのかなーと思ったけど
中村錦之助さんが蝶々夫人とは違うキリッとしたお役で、片岡孝太郎さんもふとした表情とかやっぱりベテランの味があるなぁお思った舞台でした
大津絵道成寺
片岡愛之助さんが怪我で降板し中村壱太郎さんが演じることになった大津絵道成寺
東海道の大津宿の名物である大津絵で描かれるモチーフをもとにした舞踊劇です
中村壱太郎さんで良かったよねーという感想でした
登場が藤娘やったからか、壱太郎さんの可愛らしさで納得しちゃいました
愛之助さんだったら迫力が増したところもあったのかもしれません
坂東巳之助さんや中村鷹之資さんなど江戸の役者さんも登場されて贅沢な舞台でした
この舞台を見るだけでも昼の部を見てよかった、と思った演目でした
ぢいさんばあさん
森鴎外原作の短編小説を戯曲化した作品
以前は片岡仁左衛門さんの主役で見たことがあります
今回は市川中車さんが主役
歌舞伎ではまだ経験が長くない中車さんでどんな風になるのかなちょっと心配していました
感想は「思ったよりは良かった」です
片岡仁左衛門さんの優男っぽさはないけれど、主人公の情けなさとか老いの悲哀なんかは中車さんならではだと思いました
正直、中車さんには主役の華はないけれど、周りの役者さんが素晴らしくって引き込まれました
坂東巳之助さんは嫌味な役が上手かったし、中村壱太郎さんは昼の部3つ目の舞台でしたがちゃんと違う人を演じていてすごいなぁと思いました
何より妻役の中村扇雀さんが若い妻から年老いた時まで自然に演じておられて素晴らしかったです
このお芝居の初演の時の役者さんの孫とひ孫で演じるというのも歌舞伎ならではだと思いました
いつか、中村虎之介さんと壱太郎さんでのこの演目を観てみたいです
昨年の顔見世の記録はこちら
〇演目を知ってから見るとより楽しめます
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。
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