行動経済学という言葉を聞いたことはありますか?
けっこう身近なところで使われ、私たちの行動にも影響を及ぼしている行動経済学についてご紹介します。
勉強になる書籍についてもご紹介します。
行動経済学ってなに?
行動経済学とは、⼈間の⾏動の特徴を明らかにし、その行動によりどのような経済社会ができるかを追求する学問です。
近年、⾏動経済学を健康医療介護に関する施策に取り⼊れる動きが広がっています。
行動経済学の事例としては
- 駅の階段にカロリー表示をしたり、イラストを描いて、人が階段を利用するように促す
- 手の消毒を促すために、消毒のあるところに向かう足跡をつけて人の注意を惹く
という試みがあります。
この人が行動を変えるように、ちょっと促す(小突く)ことを「ナッジ」と言います。
今回、医療現場で活用されている行動経済学について参考になる書籍などをご紹介します。
参考になる書籍(医療従事者向け)
紹介する書籍は「実践 医療現場の行動経済学:すれ違いの解消法」です。
2022年5月に出版された比較的新しい書籍です。
行動経済学の研究者である大竹文雄さんと、臨床心理士でもある平井啓さんが編集をしています。
事例が具体的でわかりやすい「実践 医療現場の行動経済学」
この書籍の良いところは
- いろいろな医療現場において行動経済学がどう活用されているか事例を示していること
→つまり、具体的でわかりやすい - その事例の多くが、研究という形でまとめられていること
→比較群とかもあって、どういう方法はいまいちなのかもわかる - 各事例でまとめとして「臨床現場での応用をどうするか」も書かれている
→実践しやすい
ということです。
第1部:行動経済学の説明
第1部は行動経済学の説明があるので、行動経済学のことをこれまで知らなかった人にとっても安心です。
でも「行動経済、難しそう・・・」と思う人は、まず第2部から読むことをおススメします。
第2部:豊富な事例紹介
第2部は実際の医療現場で行動経済学だどう活用されているか、14の事例を紹介しています。
この事例については、実際にかかわった人が執筆しているので具体的でわかりやすいです。
私が特にへぇ、と思ったのは「臓器提供意思表示促進」と「アドバンス・ケア・プランニンング」です。
「非感染性疾患」や「メンタルヘルス」については、実際の診療にも生かすことができるな、と思いました。
一つのセクションはそれほど長くないので、少しずつ読み進めるのもおススメです。
2018年に同じ編者による「医療現場の行動経済学:すれ違う医者と患者」も出版されています。
こちらは、主に課題について書かれていたと記憶しています(読んだのが少し前なので(^^;)
今回ご紹介した「実践」の方を読んで興味を持たれたかたは、読まれてみてもいいかもしれません。
〇最初に刊行されたもの
〇行動経済学ブームに火をつけた書籍です。人間って不合理だな、と思わせてくれる書籍です。
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。
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