日々のこと

【大阪松竹座さよなら公演】御名残四月大歌舞伎・夜の部Aプロ観劇記|仁左衛門の『寺子屋』と『河庄』

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大阪松竹座さよなら公演「御名残四月大歌舞伎」の夜の部に行ってきました。

今回は昼の部に続いて夜の部も観劇。

【大阪松竹座さよなら公演】御名残四月大歌舞伎・昼の部観劇記|笑いあり涙あり!充実の演目でした2026年5月で閉館する大阪松竹座のさよなら公演、「御名残四月大歌舞伎」に出かけました。今回は昼の部です。 夜の部はAプログラムと...

夜の部はAプロとBプロの2種類があり、もともと私のいちばんの目的はこの夜の部でした。というのも、今回私がどうしても観たかったのは、片岡仁左衛門さんの『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の松王丸だったからです。

仁左衛門さんの松王丸はこれまでも何度も演じられてきた当たり役で、最後の大阪松竹座でその姿を観たいと思っていました。夜の部は 『菅原伝授手習鑑 寺子屋』、『五條橋』、『心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄』 の三本立てで、A/Bプロの違いも含めて上演されました。

御名残四月大歌舞伎 夜の部

劇場に入ると、やはりさよなら公演らしい特別な空気がありました。

ロビーには松竹座の歴史のパネル展示がありました

松竹座で上演された様々な演目があり、いろんな役者さんの写真を見ては「この演目は見たな」とか「こんな演目見たかった」と思ってみていました

写真撮影不可にもかかわらず、撮影している人がちらほら

中には自撮りをしている人も・・・

ちなみに、多くが高齢者でした

「写真撮影禁止」という案内が見えていないのかも

菅原伝授手習鑑 寺子屋

最初は『寺子屋』。


Aプロの配役は、松王丸:片岡仁左衛門、松王女房千代:中村孝太郎、武部源蔵:松本幸四郎、源蔵女房戸浪:中村壱太郎、小太郎:中村陽喜、涎くり与太郎:中村吉太朗、下男三助:市川松之助、百姓吾作:中村錦吾、春藤玄蕃:中村亀鶴、御台園生の前:中村高麗蔵でした。Bプロでは松王丸が幸四郎さん、源蔵が中村隼人さんに替わります。

『寺子屋』は何度も観たことのある演目ですが、それでもやはり引き込まれます。今回、私にとって何より大きかったのは、仁左衛門さんの松王丸を舞台で観られたことでした。

細やかな視線の動きや、静かな中にある気迫が本当に見事で、これぞ人間国宝の芸なのだと思いました。歌舞伎ですから様式はしっかりあるのに、その中で自然に親の気持ちや子への思いが伝わってくる。その繊細さが素晴らしかったです。

そして、吉太朗さんの涎くり与太郎もとても印象に残りました。与太郎は場の空気を動かす大事な役ですが、しっかりと存在感がありました。吉太朗さんはいろいろな役をされていて、こういう役でもしっかり魅せてくれるのがすごいなと思います。こういう役者さんをもっとたくさん観たいし、こうした方がしっかり活躍される上方歌舞伎の舞台が続いてほしいとも思いました。

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五條橋

続いては『五條橋


配役は、武蔵坊弁慶:中村獅童、牛若丸:中村陽喜です。作品自体は、弁慶と牛若丸の出会いを描いた華やかな舞踊劇で、五條橋での立廻りが見どころになっています。

私の席は花道のすぐ近くだったので、獅童さんが汗をかきながら立ち回る様子を間近で観ることができ、とても迫力がありました。あれだけ近いと、舞台の熱そのものが伝わってくる感じです。
牛若丸を演じた中村陽喜くんはとても可愛らしかったです。ただ、正直に言うと、大歌舞伎の舞台で8歳でこの役を担うのはなかなか大変だったのではないかとも思いました。今回の松竹座では、獅童さんのお子さんたちのお披露目という意味合いもあったのだと思います。

心中天網島 玩辞楼十二曲の内 河庄

夜の部の最後は『河庄


Aプロの配役は、紙屋治兵衛:中村鴈治郎、紀の国屋小春:中村扇雀、江戸屋太兵衛:松本幸四郎、五貫屋善六:中村壱太郎、丁稚三五郎:中村虎之介、河内屋お庄:中村吉弥、粉屋孫右衛門:中村歌六でした。Bプロでは治兵衛が中村扇雀さん、小春が中村亀鶴さん、粉屋孫右衛門が中村鴈治郎さんに替わります。今回は坂田藤十郎七回忌追善狂言としての上演でした。

これは、簡単に言うと「不義をするのは当人だけでなく家族も周りも大変だ」という話だと思いました。治兵衛は妻子のある身でありながら、遊女・小春と深い仲になります。

小春のもとには、治兵衛の妻からの手紙が届き、恋人治兵衛の家がどれだけ苦しくなっているかをしrます。そこへ小春を身請けしようとする太兵衛が現れ、さらに侍に見える人物が客としてやってくる。治兵衛は門口からその様子を見ていて、小春の言葉に心を乱すのですが、その侍の正体は実は治兵衛の兄、粉屋孫右衛門だった――という流れです。

今の感覚で言えばかなり重たい話ですが、それを単純な不倫劇ではなく、切実な恋として描いてしまうところが、歌舞伎の世界だなと思いました。

今回とくに素晴らしいと感じたのは、中村歌六さんの粉屋孫右衛門です。東京の役者さんなので、関西でこうしてしっかり拝見できるのは本当にありがたいです。家のことを思い、弟を思い、それでも厳しく言わなければならない兄の立場がよく出ていて、とても印象に残りました。

夜の部を観終えて

今回の夜の部は、当初からの目的だった仁左衛門さんの松王丸を観ることができた時点で、まず大満足でした。そのうえで、獅童さんと陽喜くんの『五條橋』、そして人間関係の濃さが胸に残る『河庄』まで、夜の部全体としてとても見応えがありました。

昼の部も楽しかったのですが、やはり私にとっては今回の夜の部が大きな目的でした。最後の大阪松竹座で、こうした舞台を観ることができて本当によかったです。これだけ歌舞伎を観たい人が集まっているのを見ると、なおさらこの劇場がなくなるのは寂しいです。この先も大阪で歌舞伎が続いていってほしいと強く思いました。

〇まだまだ公演は続きます!

〇イラストもきれいな歌舞伎解説本です


以上、ご参考になればうれしいです。

それでは。

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