4月にも出かけた大阪松竹座のさよなら公演に、また出かけてきました。
今回も昼の部と夜の部の両方を観ることができたので、あわせて感想を記録しておこうと思います。
いつもであれば各演目の看板を写真に撮るのですが、私が訪れたタイミングはとてもいいお天気で、看板を撮るといろいろなものが映り込んでしまいました。ですので、今回の記事では差し込む写真が少なく、文字が中心になってしまいました。
今この記事を書いているのは2026年7月上旬で、お芝居を観てから約2か月経っています。記憶は少しずつ薄れつつありますし、写真も少ないので記事にするかどうか迷いましたが、私が大阪松竹座の最後のさよなら公演に出かけたということを記録として残しておきたいので、不完全ではありますがブログにすることにしました。
大阪松竹座さよなら公演 御名残五月大歌舞伎
私が訪れたのは5月上旬の週末です。お天気が良かったこともあり、劇場には多くの方が集まっていて、着物姿の方も多かったです。男性でも着物姿の方が多くて、目の保養になりました。
昼の部
まずは昼の部の感想からです。
寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)
昼の部最初の演目は寿式三番叟です。舞台が始まるときやお祝い事のときに上演されることがある演目です。大阪松竹座はこれで最後なので、お祝いというわけではありませんが、この大きな舞台の幕開けを飾るという意味での演目なのだと思います。
まず驚いたのは、中村米吉さんの可愛らしさでした。最初に登場する千歳が本当に可愛らしくて、目が奪われました。そしてその後に続く中村又五郎さん。関西でお目にかかる機会が少ない役者さんなので、見ることができてよかったです。
途中から舞台の空気が変わっていく感じや、舞い終わったあとの緩急というか、表情の付け方がよくわかって面白かったです。
源平布引滝 義賢最期(よしかたさいご)
昼の部2つ目の演目は義賢最期です。
愛之助さんがとても熱演で、すごく迫力がありました。
また、イヤホンガイドの解説でも、上演前に道頓堀の思い出などが語られていて、道頓堀における劇場の歴史がよくわかりました。義賢最期は途中に少し眠くなるところもあったのですけれども、それでもとても迫力があって、ストーリーのちょっとしたリズムが合わないと感じても、あまり気にならないほどでした。
鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)
こちらの演目は、以前、姫路城で行われた平成中村座で観たこともあります。そのときも最後がすかっとして、明るくて楽しい演目でした。
今回は場所が松竹座ということもあり、また出演されている役者さんも違っていましたが、今回も勘九郎さんはおおらかな主人公を演じておられて、七之助さんは可愛らしいお姫様を演じておられました。昼の部の幕切れにふさわしい、楽しい舞台だったと思います。素晴らしかったです。
夜の部
続いて夜の部です。
昼の部とは打って変わって、重厚な演目で始まりました。
近江源氏先陣館 盛綱陣屋(おうみげんじせんじんやかた)
夜の部最初は盛綱陣屋です。
こちらの夜の部は、仁左衛門さんが出ておられて、また重要な役を演じる種太郎さんが素晴らしいと聞いていたので楽しみにしていました。
内容としては、昔の武家社会の不条理さを痛感するものでした。兄弟で戦わないといけないこと、また小さい子どもが自分の父親のことを思って切腹するということなど、今の感覚ではなかなか受け入れがたい内容だと思います。それでも演じている役者さんたちは素晴らしく、この重厚な演目も大阪松竹座の最後という意味ではふさわしいのかもしれないと思いました。
心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)
夜の部の2演目目は心中月夜星野屋です。
こちらはコミカルな内容でした。
付き合っている二人なのですが、あるとき心中しようと女性側が男性側に誘われます。それでも心中したくない女性側は、なんとか一緒に心中しなくて済むように、あの手この手で工夫をします。面白いのは、その女性の母親も昔、男の人に心中しようと誘われたけれども、それを乗り切ってきたということです。
最後には、女の人はなんとか心中しなくて済んだと思っていたのですが、実は男の人側はそれを見越していた、というお話でした。よくよく考えると心中しようと誘う男もどうかと思うし、それをなんとかずるい手で逃れて、その後ものんのんと生きているというのも、ちょっと現代の価値観とは合わないと思いました。どちらかというと、心中しようと誘う男の方がどうかと思います。
まあ、こんなどうしようもない内容なのですけれども、心中しようと誘う男性側を扇雀さん、心中しようと誘われる若い女性を七之助さん、そのお母さん役が鴈治郎さんで、コメディの上手なお三人だったので、どうなるんだろうとハラハラしながらも、きっと楽しく終わらせてくれるに違いないという気持ちで観ることができました。
當繋藝招西姿繪(つなぐわざおぎにしのすがたえ)
夜の部の最後は、この公演のために作られた演目です。
大正12年、1923年5月に開場した大阪松竹座。その芝居町に人々が集い、芝居が終わって芝居見物のお客さんがお茶屋にやってくる。そこには芝居に出ておられた役者さんたちもそろう、という演目です。
その舞台の中で、上方歌舞伎の名場面が次々と出てきて、ああ、あの演目は見たな、この演目も見たな、というような楽しいものでした。役者さんがそれぞれ、お茶屋の主人を演じながらも、その役者さん本人を演じておられるような、劇中劇のような感じでした。
本当に華やかで、こういう演目をするということは、本当に大阪松竹座が終わってしまうのだなという寂しい気持ちもありましたが、せっかくなら楽しく終わろうとされている役者の皆さんの気持ちも感じました。
写真は少なく、記憶も少し薄れつつある中で書いた記事ではありますが、それでも大阪松竹座の最後のさよなら公演に自分が出かけたということを、こうして残しておきたいと思いました。
〇検索するとまだ大阪松竹座の情報が見られます
表示は「閉場中」いつか再開されるのかなぁ
〇NHKの中村米吉さんの番組、面白かったです
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。
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