日々のこと

【シネマ歌舞伎】『曽根崎心中』を観てきました|坂田藤十郎・中村鴈治郎で味わう近松の名作

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シネマ歌舞伎『曽根崎心中』を観に行ってきました。

上映は4月30日までということで、終了が近づく中、時間が取れたので出かけてきました。『曽根崎心中』は近松門左衛門作、宇野信夫の脚色・演出による作品で、今回のシネマ歌舞伎は2009年4月に歌舞伎座で上演された舞台をもとにしたものです。

今年3月に京都南座の花形歌舞伎特別公演『曽根崎心中物語』を観たばかりでした。

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あちらは『曽根崎心中』のエッセンスを抜き出して、コンパクトに再構成した作品で、それはそれでとても面白かったのですが、やはり本家の『曽根崎心中』をもう一度しっかり見たいと思っていました。

今回のシネマ歌舞伎では、お初を坂田藤十郎さん、徳兵衛を中村鴈治郎さんが演じています。お初は藤十郎さんの生涯の当たり役で、公式には1400回以上勤めた役と紹介されています。

シネマ歌舞伎】『曽根崎心中』

私が行ったのは平日でした。シネマ歌舞伎は一般の映画ほど多くの回数がかかるわけではなく、この日も朝の1回だけの上映でしたが、それでも映画館には20人以上はお客さんがいたと思います。これまで何度かシネマ歌舞伎を観ていますが、ここまで多くの人と一緒に観たのはあまり記憶がありません。それだけ『曽根崎心中』という演目そのものに注目が集まっているのだと思いました。

観ていちばん驚いたのは、やはり坂田藤十郎さんのお初です。
本当に、若い女性の可愛らしさがそのまま舞台の上にありました。話し方や仕草、少し顔を傾けるような細かな動きまで、ちゃんと「お初」というひとりの女性が生きているように感じられます。シネマ歌舞伎なので表情や所作がかなり細かく映るのですが、それがかえってすごさをはっきり伝えていました。顔立ちとしては当然年齢を重ねておられるのに、それでもなお「可愛らしい」と思わせるのは本当にすごいことだと思います。

同じことは、徳兵衛を演じる中村鴈治郎さんにも感じました。
今よりお若いとはいえ、ただ若く見えるということではなく、「こういう人がいたのだろうな」と思わせる存在感がありました。でも、やはり今回は藤十郎さんの力の大きさを強く感じました。

シネマ歌舞伎なので多少の編集はあるのだと思いますが、南座の『曽根崎心中物語』よりも、こちらはしっかりと物語そのものを描いていました。花形歌舞伎版ではかなり整理されていた場面、たとえば天満屋で久兵衛の悪事が明らかになり、徳兵衛の無実を周囲が知っていく流れもきちんと見せられていたので、もしそこがもっと早く当人たちに伝わっていたら、と観ている側にもはっきりわかります。そのぶん、この話の悲しさややるせなさがより強く伝わってきました。

それから意外だったのは、99分という上映時間がまったく長く感じなかったことです。編集でテンポがよくなっているのもあると思いますが、何より役者さんたちが役としてそこに生きている感じが強くて、自然に引き込まれました。

2009年の舞台の映像ということで、今から見ればかなり前の上演になります。それでも、今なお活躍されている役者さんたちが若い姿で出ておられたり、今ではもう直接舞台で観ることのできない坂田藤十郎さんや片岡我當さんのお姿が映っていたりして、それもまた大きな魅力でした。

来月のシネマ歌舞伎は『京鹿子娘二人道成寺』とのことなので、そちらも気になっています。しばらくシネマ歌舞伎から少し遠のいていましたが、今回をきっかけにまた映画館で歌舞伎を観る楽しさを思い出しました。南座の花形歌舞伎をきっかけに『曽根崎心中』が気になった方にも、今回のシネマ歌舞伎はかなりおすすめだと思います。

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〇歌舞伎の歴史とか「家」がわかる書籍です面白かったです


以上、ご参考になればうれしいです。

それでは。

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