「特急券を使わない範囲ででかける」という制約で楽しんでいる「歌舞伎観劇」
今月7月は大阪の松竹座で7月大歌舞伎が開幕します。
いつもはすいてそうな時期に出かけるのですが、今年は初日の7月3日にでかけました。
初日ということもあり、にぎわっていて華やか。
着物の人も多かったですし、関係者の人らしき人もいました。
今年は松竹座改行100周年ということで特別な飾りもできていました。
今回も「せっかく行くのだから」とお昼の部・夕方の部とはしごをしてきました(^^;
というわけで、感想です。
お昼の部の感想
今回、90%の座席を販売していたようです。
初日のお昼は完売していたようで、お客さんの熱気も感じました。
八重桐廓噺(やえぎりくるわばなし)
近松門左衛門が書いたお芝居。
主人公は元遊女で、かたき討ちをするといって行方しれずの夫を探していたら再会。
と思ったら、夫はかたき討ちができず無念、といって自害(めいわくな話)
最後は、主人公に死んだ夫の神通力が宿り超人的な力を発揮したり、戦闘能力の高い義理の妹が出てきたり、女性がやたら活躍するお芝居でした。
見てみて思ったのは「昔の人も女の人が活躍するお芝居を見たかったのかなぁ」ということ。
昔の女の人は、こういう作品を見てスカッとしたのかなぁ、などと思いました。
松竹のホームページには中村時蔵さんが話されるより詳しいあらすじもあるので、関心のある方はご覧になってください。
浮かれ心中
こちらは井上ひさしさんの直木賞受賞作「手鎖心中」がもとになった歌舞伎。
中村勘九郎・七之助さん、松本幸四郎さんがメインで出ていました。
序盤から笑いを巻き起こしながら、最後はタイトルにある通り心中の場面が出てきてしんみり。
1部も2部も救いがないなぁ、と思っていたら、最後は笑いを巻き起こしながらの幕でした。
イヤホンガイドによると、最後がこういう終わりになったのは、亡くなった勘三郎さんの提案なのだとか。
素敵な終わり方だと思いました。
これまで、勘九郎さんが出ておられるお芝居(特に最近つくられたものを)を見ると「勘三郎さんだどどう演じられたのかな」と思うことがありましたが、今回はそういう風に思わない自分に気が付きました。
勘三郎さんのお芝居を忘れたのか、勘九郎さんがそれをかき消しておられるのか・・・
色々考えさせるところもあるいいお芝居でした。
見にいってよかったです。
〇井上ひさしさんの原作はこちら
夕方の部の感想
堀川波の鼓(ほりかわなみのつづみ)
近松門左衛門作の”不倫もの”
参勤交代で夫が江戸にいる妻が、お酒を飲みすぎてたまたまその時家にいた”鼓の師匠”と不倫関係に
今のドラマでもありそうな設定です。
江戸から夫が戻ってきて、夫の知るところとなり・・・
というストーリー展開
本当は、夫役を仁左衛門さんが演じる予定でしたが体調不良で中村勘九郎さんが演じておられました。
この演目、以前も見たことがあり、たぶんその時も夫役は仁左衛門さんだったと思います。
勘九郎さんの演技も新鮮でしたが、やっぱり仁左衛門さんの夫役をみたかったな~と思いました。
勘九郎さん、お昼の部からの連続出演お疲れさまでした。
仁左衛門さんのご回復を願っています。
祇園恋づくし(ぎおんこいづくし)
京都を舞台にした、ドタバタコメディ
見ているときに思ったのは、「吉本新喜劇みたい」でした。
テンポの良いセリフ回しで、出てくる登場人物も人間味があって、悪人が出てこないお芝居です。
楽しく笑っていて、最後まで悲しい場面がありませんでした。
ちょうど祇園祭の時期だから選ばれたのだと思いますが、京都では街中では祇園ばやしが鳴り響いているので気分的にもぴったり。
舞台装置もとても豪華で、明るい気分で帰路につくことができました。
初日を見た感想
演目について
どうやら、お昼の部も夕方の部も、最初に重いお話にして、後の方を笑って帰れる順番にされたのだと思います。
良い組み合わせだな、と思いました。
歌舞伎初心者の人にも楽しめる演目だと思うので、おススメです。
初日に行ってみて
たぶん、初めて初日に感激したのだと思いますが、初日ならではの熱気を感じました。
枚数限定のはがきもあって、こういうのが初日なんだな、と思いました。
また機会があれば初日といって敬遠せずに出かけてみたいと思います。
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。