ハラスメントとは人に対する「嫌がらせ」や「いじめ」などの迷惑行為のことを言います。
具体的には、属性や人格に関する言動などによって相手に不快感や不利益を与え、尊厳を傷つけることです。
30%近くの医師・研修医が職場で何らかのハラスメントを見聞きしたという報告もあります1。
まずは自分の身を守るために、自分自身がハラスメントにあったときの対応についてご紹介します。
ハラスメントの種類
ハラスメントにはさまざまな種類があります。
医師が働く現場では、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、アカデミックハラスメント(アカハラ)などが挙げられます。
パワーハラスメント(パワハラ)
職務上の地位や人間関係などの
①職場内での優位性を背景に、
②業務の適正な範囲を超えて、
③精神的・身体的苦痛を与えられたり、職場環境を悪化させられる行為のことを言います。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
対象者の意に反する性的な言動が行われ
①それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けたり、
②職場の環境が不快なものとなったため、労働者が就業する上で見過ごすことができない支障が生じること
を言います。
アカデミックハラスメント(アカハラ)
教育や研究の場で、教員や職員などが、優位な立場や権力を利用して不当な言動をとり、相手に不利益を与える行為のことです。
具体的には、学習や研究を妨害する、教育や指導を放棄する、アイディアを盗用する、研究成果を横取りする、などがあり、企業よりも「仕事」という意識が薄いことが多く私生活への過度な干渉も起こることがあります。
ハラスメントにあったとき
ハラスメントは受け流していても状況は改善されません。我慢したり、無視したりすると事態をさらに悪化させてしまうかもしれません。問題を解決するために、以下の方法があります。
1 どんなことをされたのか記録する
ハラスメントと思われる行為をされた場合は、いつどこで誰が何を何のために(5w1h)したのかを記録しましょう。メモや録音など最適な方法で記録を残すことが有効です
2 周囲に相談する
一人で悩まず、まず同僚や上司に相談しましょう。周りの協力を得ることで、ハラスメントを行う本人が自らの行為に気づく場合があります。
3 会社の窓口や人事担当者に相談する
上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。会社等の組織は、相談者が不利益にならないよう、プライバシーの確保を配慮することを求められています。
4 外部の相談窓口に相談する
社内に相談窓口がない場合や、社内では解決できない場合は、外部の相談窓口に相談しましょう。外部の相談窓口は複数あるので、パワハラやセクハラの場合は厚生労働省の明るい職場応援団の相談窓口、アカハラの場合はNPO法人アカデミック・ハラスメントをなくすネットワークのサイトなどをご覧ください。
参考文献
1.須崎康恵. 臨床研修医のハラスメント経験とその対策. Vol 51. Japan Society for Medical English Education; 2020.
以上、ご参考になればうれしいです。
それでは。
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