2021年吉例顔見世興行の感想記事が続いていますが・・・
読んでくださっている方の中では「この人3日も見に行ってるの?」と思っておられる人もいるかもしれません。
実際は「1日に朝から晩まで見続ける」というスタイルです(胸を張るようなことではない💦)
私の場合、1部だけ見ても、3部見ても「仕事を休む」ということには変わりないので、もうまとめて3部見ています。
体力と集中力が必要ですが、3部制になって劇場の外に出る時間ができて楽になりました。
そいうわけで、2021年吉例顔見世興行第3部の感想です。
雁のたより:東京育ちが関西の主人公を演じる
上方(関西)の演目の主役を、東京生まれ東京育ちの松本幸四郎さんが演じるということで話題になっているこの演目。
片岡仁左衛門さんが監修している、ということも「芸の継承」ということで解説でも触れられていました。
韓国ドラマ&新喜劇!?:簡単なあらすじ
舞台は有馬温泉。兵庫県にある有名な温泉ですね。
そこで出会う二人の男女。
一人は髪結(町人)の主人公。もう一人の女性は武士の愛人。
二人は気になる存在です。
それをよく思わない人に騙されかけたり、助けてくれるいい人がでてきたり・・・
実は、この二人は昔からのいいなずけ、髪結いの主人公もともとは武士の家の出ということがわかり、ハッピーエンドを迎えます。
その合間に、吉本新喜劇のような「てっぱんのボケ」がちりばめられていて、くすりと笑うこともできます。
今までもこの演目を見たことがあるのですが、今回見て「韓国ドラと吉本新喜劇の合わせ技やな」と思いました。
恋愛ものだけだとだらけそうなところに、吉本新喜劇的な笑いもあるので、最後まで楽しむことができました。
勝手な感想
松本幸四郎さんが上方歌舞伎をお好きで、いろいろ演じておられるのは知られていることと思います。
初めてのお役で、言葉のテンポなどまだ見る側もなじんでいないところがありますが、上方の演目を演じていただいていろんな人に上方歌舞伎の魅力を届けていただけると良いな、と思いました。
片岡進之介さんの、若殿様も楽しかったです。
若殿、じゃなくて、ばか殿という役どころなのですが、「だめな人」でも「この人はしゃぁない」と周りの人に思わせる感じが伝わってきました。
何回も笑わせてもらいました!
蜘蛛絲梓弦:早変わりが楽しい!
「蜘蛛絲梓弦」は「くものいとあずさのゆみはり」と読みます。
早変わりが多くて、次は何が出てくるの?とワクワクする演目です。
簡単なストーリー
主が体調を崩しているお屋敷に、怪しい人物が訪れます。
実はこの人物は、主の体調不良の原因。
何とか屋敷の中に入ろうと、何度も姿を変えて現れます。
さて、それはうまくいくのか?というストーリーです。
見どころは早変わり
この「何度も姿を変える」というのを「早変わり」といいます。
今回は男性から女性、最後は蜘蛛の精になりました。
その役を片岡愛之助さんが演じておられます。
先の演目「雁のたより」では優男を演じておられます。優男も上方歌舞伎っぽくて素敵でした~
この演目では、男性や女性を短時間で演じ分けておられるので、役者さんはすごいなぁ、と思いました。
テレビドラマでもご活躍ですが、また歌舞伎で演じておられる姿を見たいです。
参考書籍
〇松本幸四郎さんが染五郎さん時代に書かれた本。わかりやすいですよ
電子書籍版は今キャンペーン中です。
吉例顔見世興行の情報はこちらから。12月23日まで開催されています。
以上、ご参考になればうれしいです。それでは。